杉田水脈議員が、フランスのパリ国際大学都市日本館で
在仏の日本人有権者に対して「憲法改正について」という
テーマの講演を行う予定になっていたそうだが、
パリの会場に抗議が殺到して、安全確保がままならなくなり、
会場を変更しなければならなくなったという。
講演が公示されると、在仏の日本人の有志が、
「歴史修正主義者・差別主義者の杉田水脈氏のパリ講演に
断固として抗議する」
と講演会場の館長に向かって表明。
慰安婦、南京大虐殺などについての杉田議員の見解のほか、
LGBT差別論文、伊藤詩織氏BBC番組での発言などを
並べて、
「パリ国際大学都市の理念とまったく相容れない」
「フランス共和国の理念にも反する催し」
として、署名サイト「change.org」で会場での抗議行動も
呼び掛けた。
中止しないなら「当日会場で抗議行動を行う」とか、
「フランスの様々な分野のメディアに、この講演について
告知し、二度とこのような事態が起きないように訴える」
などと脅迫めいた抗議文を突きつけたらしい。
杉田議員の講演の参加予定者は、最高でも30名で、
在仏の日本人有権者のみだった。
パリでの講演の主催者は、政治的な団体ではなく、
一般の個人の、在フランス日本人有権者だという。
これまでパリで行われてきた日本の講演は、
護憲派と反政府の意見ばかりで、偏りがあると感じて
いたらしい。
フランスに在住しながら、有権者として日本の政治状況
を知るためにも、右派、保守派の意見を聞きたいと考え、
ずっと講演してくれる人物を求めていたのだそうだ。
ただ、会場の参加者は最大でも30名程度だから、
フランスまで講演者を呼ぶだけの渡航費や講演料を
考えると、なかなか実現できなかった。
そこで今回、たまたまフランスに渡航予定のあった
杉田議員に打診したところ、講演料なしでOKとなり、
依頼することになったそうだ。
主催者は、杉田議員のこれまでの発言は承知していて、
実は、個人的にはすべての言動に賛同できないが、
「やはりいろんな意見を聞いて自分で考える判断をする
ことが政治」
と考えているそうだ。
参加予定者も多くが、そのようなスタンスだという。
杉田議員の差別的な言動や、女性を卑下する発言の数々
には私も賛同できないけれど、
気に食わない発言をする人物だからと言って、
なぜ自分が参加する気もない講演を阻止しようとする
のだろう?
海外に住む日本人の有権者が、日本の政治家の意見を
聞いて考えたいという機会を、奪っていいわけがないと
思う。
講演には質疑応答の時間も設けられるそうだから、
杉田議員の考えを聞いた結果、参加者から鋭い質問や、
批判的な意見だって出るかもしれない。
そういう議論の機会をなぜ潰そうとするのだろう。